紐育式後朝


 早朝。露天風呂の隅で、洗濯に勤しむ新次郎。そこに近づく影。
「やあ、大河くん。オハヨウ」
「サ、サニーさん!」
 濡れた着物を隠しつつ。
「洗濯かい? 朝から精が出るねえ。さすが勤勉で名高い日本人だ」
「誰のせいだと……」
 サニー、にっこり。
「ん? 何か言った?」
「言ってませんよっ!」
 つくづくと。
「キモノってさ、便利だよね。着やすいし脱ぎやすいし、着るにもよく」
「……」
「敷くにもよく」
 新次郎の腕が、ぴくりと止まる。
「……に、日本では、あんまり、敷いたりはしませんです……」
「じゃあ、昨日は」
「サニーさん!」
「おいおい、どうしてそんなにムキになるんだい? ボクはやましいことなんか、何ひとつ言ってないよ」
「もう、ヒドイですよ……」
 新次郎、赤くなった顔をそむけ、黙々と作業を続ける。
 着物を洗う様子を、じっくりと眺めるサニー。
「いやあ、なかなか落ちないみたいだね」
「あ、あっち行ってください! 仕事に集中できません!」
「手伝おうか?」
「結構です!」
「つれないねえ、大河くん」
 眼鏡の奥に笑み。
「汚したの、誰だっけ?」
「……!」
 間。
「う、うわーん! サニーさんのインチキスーツ!」
 涙ながらに走り去る新次郎。
「はっはっはっ、やっぱり大河くんは面白い子だなあ」


 サニー、日本製の大人のおもちゃをゲット。





モギ子(仮)さんから戴きました!
「着物を広げた上でいたすのは萌えですよねハアハア!」と暑苦しく語ったら
モエを形にしてくださいました!さすがエンターテイナー・モギ子!

大河くんはまさに最高級品のおもちゃだと思います。主に悪い大人向けの。